栗鼠と蜘蛛の糸

遊んでるゲームの日記

わたしは、我は、我々は

 ゲームをやるには遅すぎる本来なら寝ている時間にほとんど使っていないブログを更新しようと思ったのは単にそういう気分だったから、そんなわけでわたしは今からなんの意味もない駄文を重ねていく。

 

 ちょっとした風邪を拗らせて半年ほど寝込んでいたことがある。もっとも、期間中のほどんどはゴホゴホと重い咳が出るくらいで大したことはなかったが最初の一月は地獄だった。熱は下がらず呼吸もろくにできない、咳もひどい、嘔吐も何度だってした。しかし病院ではただの風邪以上の診断が出ることはなかった。このまま死んでいくのだろうと覚悟しながらベッドの上で横たわりいつの間にか寝ていた、というような日々を繰り返していた。文字通り死にそうな日々だったが私は時々あの頃に戻りたいとふと思ってしまうのだ。幽霊だろうか、神であろうか、はたまた宇宙人かもしれないそんなよくわからない存在があの時私の中にいた。尊大なやつだった。

 

 彼がもたらしたのは小説に書くには足りないが詩や唄としてみればまあそれなりに詠めなくもない微妙な文才だった。彼と私はそれを使ってインターネットの見知らぬ人に声をかけた。もうたくさん、かなりの数に。生み出した詩で喜んでくれた人もいた。文体だけでわたしを認識してくれる名も知らぬ者も少しいた。好きなテンポの言葉を見つけ納得のいく詩を作りたまに誰かが喜んでくれる、詠わずに普通の挨拶や会話もときどきするようになった。身体は死にかけであったが心は幸せだった。


 風邪が治っていくうちに詩が想い浮かばなくなった。人との会話も面倒になった。熱意は冷めていき傍にいた誰かもいつの間にか消えていった。

 最近になって彼の正体になんとなく見当がついた。
死ぬほど元気であったあの頃に時々戻りたいと願ってしまうがそれはだめなのだ。

 その誘惑には、絶対に抗わねばならない。